うちの旦那氏。

旦那氏との出来事4コマ漫画+雑記ブログです

『美大出身』というレッテルがツラい件について

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夏は石膏像に抱きついてでも涼しくなりたい、いいちこです。

 今回は、美大出身にも関わらず『美大出身』というレッテルがツラい理由について自分の人生を振り返りつつ書きたいと思います。

 

まず、みなさんは美大にどのようなイメージをお持ちでしょうか。

最近ではメディアでも多く取り上げられるようになったため、美大という言葉を身近に感じる方もいるかもしれません。

私が転職活動をしている時、履歴書に美大卒と書くと面接官がほぼ必ずといっていいほど美大ないしは美大生のイメージについて話してきました。

 

「美大ってことは絵が得意なんですね」

「きっと画家とか詳しいんでしょう」

「失礼ですけど、美大生って変わった方が多いですよね」

「美大出身ということは制作系に興味があるということですよね」

「美大にいたならセンスは抜群でしょうね」

 

確かにどれも間違ってはいません。

でも、私は謙遜しているわけではなく本当に絵に苦手意識があって出来れば描きたくないし、画家なんてゴッホとかモネとか有名どころしか知らないし、好奇の目を向けられるほど奇抜なことを常日頃からしているわけでもないし、センス抜群で制作をゴリゴリしたいわけではないです。

 

 美大を知らないのに受験を決める

私はゲームをするのが好きだったので幼少期から漠然と、将来はゲームデザイナーになりたいなぁなんて思っていました。

高校2年生の進路相談で担任の先生にそれを話したら数学が出来ないと難しいだろうと言われました。

恐らく先生は、ゲームのプログラミングがしたいんだと認識していたようですが私はどちらかといえばゲームの世界観を考えたりするような人間になりたかったです。

でも、その認識の差異を特に深く考えず先生の言葉を鵜呑みにして私は絶望しました。

私は数学が破滅的に出来ませんでした。そもそも、とても数字に弱いです。

あ、終わった、私の将来終わったと思っていたら先生がとても軽い口調で

 

「美大行ったらゲーム作れるかもよ?」

 

と言いました。

それまで美大という存在自体知らなかった私は数学をやらなくてもゲームデザイナーになれるならじゃあそっちにしよう、という軽い気持ちで美大受験を選択しました。

 

 そもそも美大の学費は高い

一般大が平均年間120万円くらいなのに対し美大は160万円くらいです。

毎年同じ学費というわけではありませんが、大体その金額を4年間と考えたらだいぶ差額があります。

でもまぁ学費を自分が払うわけじゃないし、と当時は思っていました。

しかし、今になって思えば当時私が「美大受験することにしたから!」と軽く言ったことに対して一切反対せず最後まで応援し続けてくれた両親には一生頭があがりません。

そのため、卒業した後に美大で学んだことを生かした職業に就かなかった(就けなかった)ことを質問されると学費を全額工面してくれた両親に申し訳ない気持ちになりました。

 

美術予備校に通っても絵の苦手意識は変わらない

 高2の夏から美術系の予備校に通い始めましたが、今まで鉛筆なんて筆記試験くらいでしか使ってこなかった人間が体験入学でいきなり石膏像なんて描ける訳がありませんでした。周りがガリガリ描いてるのを見て悟りました。

 

「あ、私には無理だ。」

 

そう思うと同時に絵を描く気力がなくなりました。本当なら上手くなるために頑張ろうとか一念発起したりするものですが、周囲のレベルの高さに圧倒されてしまい自分はどんなに頑張っても追いつけないんじゃないかと思ってしまいました。

しかし、予備校の先生にゲーム作りたいなら映像系だから別にデッサンを選択しなくてもいいという言葉を聞いて一瞬で目に生気が戻りました。

 

映像コースに転科してから書く絵はどちらかというとアニメやマンガチックなものでも大丈夫だったため、少しだけ気が楽になりましたがやはり絵が得意だとか好きという人の描く絵と、絵が苦手で描きたくない私の絵を比べると劣等感を感じてしまい絵を描く苦手意識は変わりませんでした。

 

入試でも絵を描くことを避ける

結局、1浪して美大に入学しましたが入試ではほとんど絵を描きませんでした。

半ば賭けのような状態であまり絵を描かない選択をしましたが、現役時代の入試で絵をガッツリ描いて落ちたことがトラウマで描けませんでした。(学科も平均点くらいだったので相殺されました。)

 

絵と文章を描く実技では絵を必要最低限、文章8割という形で提出したところ評価されて高得点をもらい大学の過去問に載りました。(あ、ここは自慢です。)

余談ですが、その後の世代で一時期あまり絵に力を入れてないような作品が過去問に載ってるのを見たらとてもモヤっとしました。画力に自信があるなら描くのが一番だよ!

 

美大に行けばセンスがよくなると思っていた

大学入学後には授業の一環で絵を描いたり、彫塑をしましたがあまり熱心に取り組めませんでした。苦手意識が邪魔して好き勝手に描いたり、作ったりすることが出来なかったからです。 周囲の人の作品と自分のものを比べてしまう癖は一向に抜けずとても苦しかったです。評価を気にしないでのびのび出来るのが美大のいいところだったのに我ながら損な性格をしているなと思いました。

 

美大に行ったら色んな手法を学んで自分の思い描いていたイメージを形にするのが容易になると思っていたのに学べば学ぶほど、どんどん方向性が分からなくなっていきました。

1個作れば美的センスが磨かれて次の作品はよりかっこいいものが作れると思っていました。普通に考えてそんなわけないと分かりますが、センスがいい人はもとからセンスがいいです。なので、ぶっちゃけ勝ち目はないです。時間と努力でどうにも出来ないものだって世の中にはあります。

 

卒業後、美大という言葉にいよいよ敏感になる

美大にいた頃は、美術系の仕事に就きたいだとか、一般大を出た人みたいに普通っぽく生きたくないとか思ってました。

でも、それと同時に自分は自分が思っているほど特別でもなければ才能があるわけでもないということも認識していました。

その感情のせめぎ合いがあってなかなか美術と関係ない仕事に就こうと動き出せないでいました。

 

頑張って美術の知識が生かせる仕事に応募しても技量や熱量がないからと落とされまくりました。

それならもうこの際、仕方ないと美術と関係ない企業に応募しても美術と関係ない仕事に就きたいというアピールはなかなか通用せず、むしろ美大出身だからという稀有な目で見られることが多かったです。

 最初こそは「美大出身です!」と嫌々ながらもアピールしていましたが、だんだんその美大出身というのが足かせになって自分からアピールをしなくなっていました。

そんなことなら大学院戻ろうとも思いましたが時すでに遅くフリーターになってしまいました。

 

就活やら転職活動を繰り返して

もう何十社受けたか分からない末に今の会社から内定をもらったので入社しましたが、やはり面接では美大ということが話題に上がりぜひその技術やセンスを生かしてほしいといわれました。

正直、本当にそういう期待を抱くのだけはやめてほしいと思いましたが入社したら自分だけしか美大出身がおらず野放し状態でした。比べる対象がいないからこそ今こうしてのびのびとしていられるんだと思います。

 

仕事を任されるときに「センスを生かして」とか「美大卒ならイケる」などなどよく分からない無茶ブリをされる度に美大レッテルに悩み苦しみますが美術と関係ない小さな会社でデザイン担当を任されていることが美大に進学させてくれた両親へのせめてもの罪滅ぼしと思っています。

 

もし、同じことで悩んでいる美大生がいたら伝えたいのは

 

  • 自分が思っている以上に自分は一般の職種の仕事を楽しんでやれる。
  • 美大出身以外の人から期待されても自分としては結構適当にやったら予想外に喜ばれたり褒められたりする。
  • たとえ適職診断で一般職が向いていないという結果でも就いてみると全然仕事が出来る。むしろ普通の人より出来たりする。 

 

そんな感じなので、普通の仕事に就いてみるのも悪くないかもね!

 

自分の人生振り返ってたらめちゃめちゃ長くなりました…すみません。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました!